富士山 須走口 滑沢 遡行

年月日       平成21年10月4日

天気 晴れ

メンバー   大屋・工藤紀・工藤誠

コースタイム

 須走口五合目発8:09〜六合目瀬戸館着10:20〜滑沢出合発11:03   〜七合目見晴館上の登山道着12:42〜砂走下降地着13:12〜砂払い五合目着13:50 〜須走口五合目着14:28

感想

 この夏、お中道の東半分周遊を久しぶりに実行した。その折り、前から気になっていた須走側の、滑沢を遡行することにした。 この沢は、溶岩が長く流れたところに雨水が、砂石を流し、見事につるつるに磨いた一枚岩の岩の斜面なったものである。そのつるつるの岩の斜面を登り続ける魅力に、惹かれて登ることにしたのである。

 須走口の五合目から、一般の登山道を須走胎内小屋まで登り、そこに来ている吉田口下山路末端までの横断道に進む。ダケカンバが黄色付き、紅葉を楽しみながらの登山である。樹林内にある溶岩の流水状の沢を一つ越し、二つ目の顕著な溶岩流が、滑沢である。この登りだし地点から見上げた、滑沢上部は、富士山の砂石斜面に一条の照り光る岩のラインが、スカイラインまで、伸びている。この一条の沢が、何か「天に昇る階段」にも見える。  

 溶岩の流れた跡にある流水状の岩の斜面(スラブ)を、登り始める。傾斜面の滑りやすい一枚岩状を、トレッキングシューズの裏の摩擦を利用して、高みへと確実に登る。振り返ると、富士山の黄色く色づいたすそ野の絨毯の木々の中に、一条の溶岩流が流れ消えている一幅の絵画が見られた。枝の低いハンノキなどの木々の中に伸びる、溶岩流の岩の傾斜面をひたすら登る。登る岩盤も、つるつるの場所のところもあれば、溶岩が流れた姿そのものの場所もある。

 やがて、周囲の低い木々も無くなり、広々とした岩盤の中に、砂石が流れた跡の部分を登り続ける。このあたりから見上げる富士山は、岩山の姿の山の富士山である。果てることのない岩の世界に捕まった気がして来る。途中、つるつるの溶岩流の真ん中が1メートルぐらい陥没したところにでる。左右は岩盤なので、問題なく、先に登って行ける。間もなく、左手に石積みの建造物らしき突起が見えてくる。登り進むと、白い鳥居も見え出す。

 右手には、スカイラインに吉田口八合目の小屋も確認できるようになる。右手の小屋が近づいたので、もう、須走口登山道に合流するかに思えた。  直接一般登山道に突き上げようと、そのまま登り続けて行くと、溶岩流の流れは、右曲がり吉田口側に向かい出す。七合目の太陽館は、だんだん下になって行く。左には、ロープを張って、登山道が右上へと伸びて行く。やがて、その登山道を導くロープが、突き上げる真上に横断しているところに着く。左手少し上に、山小屋が手近に見えるところで、吉田口登山道に合流し、富士山特有の壮大な、溶岩流登りを終えた。  

 登山道を少し下り、本七合目の小屋からブル道を下って、七合目の小屋まで降りた。ここから須走砂走り下山道を、大胆に下って行った。