2005年 富 士 山 三 種 周 回(その二) 

    富士山ぐるぐる回る 

                                         曲渕・工藤 

   2     富士山お中道周回  

   かつて、富士山道の一つとして、歩かれていたお中道。大沢の渡り場の崩壊で、昭和52年以来通行止めとなった。地元山岳関係者として、時には現況情報を求められることがあり、現況調査に向かった。 

   雲の中の富士宮口五合目から出発。宝永第一火口底に着き、宝永山へ登り始める。雲が割れ晴れ出す。宝永山の馬の背から、お中道の横断へ。御殿場口登山道を横切り、砂石地帯へ。間もなく砂石が流失して、V字谷が幾つか出来てきた。二つ目のものは、谷が深く側壁が急でとても登り返せない。対岸に渡れそうなところまで下り、左岸に移る。 

  

 

 砂石帯の中にかすかな踏み跡を見つけ進む。溶岩のナメ沢が長々と伸びて来ている不浄流しを横断し、須走口のブル道に出た。ブル道に残る石の「お中道」道標に従って横断を続ける。やがて踏み跡が不鮮明になり、霧も出てきて来た中、横断を続ける。小さな「下山道」の看板が立つ須走下山道に出た。さらに、横断を続け、須走口登山道に出たが、下に六合の小屋が見えた。本来のお中道より下を横断してきてしまった。須走口登山道を少し登り、本来のお中道の本六合にもどる。そこからは、樹林を抜け、一条の溶岩の明瞭なナメ沢を横断。横断を続けると、大きく抉れた渓谷が形成されていた。かなり下って対岸に渡り横断して行く。見つけた踏み跡を行き吉田口下山道末端に出た。 吉田口下山道に出て、その道を下って行くと、吉田口登山道に合流。さらに進み河口湖口五合目に出て「温かいものでも、食堂で食べていこう」となった。 

   昼食後、小御岳神社にお参りして、お中道周回再開。樹林の中の平な道を歩く。霧も薄れ、富士山が臨められる。廃屋の御庭山荘経て、大沢へと。樹木の中の登山道を行くと、砂地の広い沢の真ん中に、「滑沢」と刻まれた石が立つ沢を渡った。再び雑木林の中の道を進み、大沢休泊所に着く。 

   休泊所からは、大沢右岸の鉄砲尾根を下降。工事のため、関係者以外立ち入り禁止区域。お中道の現状調査である点でお許しを願い、大沢の底に降り対岸に登り返す。沢底から見上げる大沢は、幾度見ても大迫力。対岸の大沢左岸の登山道は、工事関係部分は整備されているが、そこを過ぎると踏み跡程度の道になる。その踏み跡を進むが、いつの間にか、獣道に迷い込む。右に巻き、不動沢に出て沢を遡上してお中道にもどる。  

  

 

 お中道を出発すると、すぐに「天の浮き橋」の岩場。そこに残る橋の木は、古いがまだ大丈夫とこれを渡って上部の道へ。この先は、紅葉の美しい林の中の登山道となり、つい紅葉の記念写真を撮る。樹林帯・広々とした赤い砂地・岩盤の沢筋などの横断を続けて行く。そんな中、富士山山頂へと伸びている執杖流しの沢を横切る。次のきれいに磨かれ岩盤の第二箱荒沢も横切る。さらに、幾つかの砂地と岩稜を越えて横断をして行くと、車の音が聞こえて来た。そして、富士宮口六合目からの道との合流地点から下って行き、五合目の駐車場に戻った。 

  (10月16日 天候 曇り) 

   コースタイム 

   10/16  
 富士宮6:08〜宝永分岐6:20〜宝永第一火口6:31-:36〜馬の背7:06〜須走下山道8:03〜須走本六合小屋跡8:30〜吉田口下山道8:54〜吉田口六合9:10〜泉ヶ滝9:23〜河口湖口五合目9:30-:53〜御庭山荘10:30-:43〜大沢休泊所11:23-:30〜剣が峰大沢底11:57〜不動沢11:23〜お中道12:44−:58〜執杖流し13:48〜富士宮口五合目14:58