高校生と東西南北の山系を周遊して


1 愛鷹山系(千束登山口〜越前岳)  
                                                                               2007年9月15日 
                その2(十里木〜越前岳〜黒岳)
                                                                                      2007年10月6日
2 三国山周辺 (楢木山〜三国山〜鉄砲木ノ頭〜高指山) 
                                                                                            2007年11月4日
3 道志山塊 (奥ノ岳〜中ノ岳〜御正体山)
                                                                                 2007年11月23日
4 御坂山塊 その1(三つ峠山〜清八山〜御坂山〜黒岳) 
                                                                             2007年12月23日〜24日
                   その2 (中藤山〜金山〜鬼ヶ岳)  
                                                                                        2008年4月29日
                その3(王岳〜五湖山〜三方分山〜パノラマ台) 
                                                                                          2008年9月23日 
5 天子山塊 その1(竜ヶ岳〜雨ヶ岳〜タカデッキ〜毛無山)
                                                                                           2008年11月3日 
                   その2(雪見ヶ岳〜熊森山〜湧水峠〜長者ヶ岳〜天子ヶ岳) 
                                                                              2008年12月22日〜23日 

1 愛鷹山系

その1 日時   2007年9月15日            (天候:曇りのち雨)

コース  千束登山口(発9:15)〜勢子辻との合流点(着10:58)〜高場所(着11:26)     〜呼子岳(着12:12)〜越前岳(着13:25)〜十里木(着14:27)

コースの概要  吉原から十里木に向かう車道から分かれ、林道のどん詰まりに、登山計画書入れのポストがある愛鷹千束口の登山口から歩き出す。道から一段上がり、ヒノキの植林の下、左へと進む踏み跡を行き、小川を渡った。対岸の尾根を巻いて、土が抉れた谷状を渡り、主尾根の側面の斜面を登り出す。雨水で荒れた道を登って、尾根上に出た。

出た尾根は、ササが多いが、明瞭な登山道となっていた。少し登り進むと、左手が広い新しい植林地となっている。そのまま登山道を進み、林道に出る。林道を横断して、削られた尾根の末端につくられた登山道を登る。登り進むと、もう一本林道が横切る。この林道を少し右に行き、ササが生い茂り分かりにくい尾根の側面に造られた登山道を登り尾根上にもどる。すると、雑木林の中の広い尾根となり、間もなくササが深い箇所を通過する。尾根が、なだらかになると、左手から勢子辻からの登山道と合流する場所に出て休憩となった。ここには道標が立っていた。この平坦地を15分ぐらい直進すると、高場所の広場に着いた。

 高場所から先の登山道は、少し下り、登り坂になると尾根はやせ細って来る。やがて、左右が切れ落ちた箇所が出て来た。そこを慎重に越して行くと、越前岳と呼子岳の稜線の途中に出た。この稜線もやせていて、右に15分行き、呼子岳に着く。雨の中、記念写真を撮って、すぐに戻る。そして、越前岳に向かって歩き、最後の急坂を登って山頂に出た。山頂は、南と西方面は切り開かれているが、雨天で風も強く何の見晴らしもきかない。予定では、黒岳へ行く予定だったが、天気が悪いので、十里木へ下山するになった。



その2 日時   2007年10月6日            (天候:曇り時々晴れ)

コース  十里木(発10:16)〜越前岳(着11:48)〜黒岳(着14:15) 〜山の神神社(着15:42)

コースの概要  十里木登山口の駐車場からの坂道を登り始める。整備されている階段の登りは、歩きづらく疲れる。一段上の平坦地に出て、展望台の左を通過して登って行く。電波施設の脇を2つ過ぎ、広々とした見渡しのきくベンチのあるところに出た。その先へと進むと、尾根状が顕著になり、道は狭くなり樹林の中に入る。樹林の中の登山道は、雨水で荒れていた。途中、一箇所砂地の小広場に出る。そこからは、富士山が見られた。再び、樹林の中の斜面のきつい登山道を行く。登山道には、雨水で木の根が多く露出して、歩きづらい。雑木林の中の道のためか、植林帯のような暗さはない。疲労感が出てきたころ、右手から勢子辻からの登山道が合流して来ていた。ここの分岐から、10分少々で、樹林から抜け出て越前岳の山頂に出た。南面と西面には、樹木はなく、見晴らしのいい展望台の山頂だ。この山頂らしい山頂で休憩とした。

 越前岳から東に伸びる尾根を下って行くと、「富士見台」という展望台があった。そこには、昭和13年発行の五十銭紙幣で描いている富士山の風景図の地、と説明する看板が立っている。さらに、下る登山道を東に進む。所々、雨水で深く登山道が抉られている。尾根状の道で、右手が崩れている箇所を過ぎ、「富士見峠」の道標の立つ場所に出た。ここから、南へ下れば、大沢へ、直進すれば黒岳へと向かう分岐の場所だ。樹林の中で、 富士山の展望は得られない。休憩後、意外と急な坂道を登って、黒岳に立った。すぐに戻って大沢林道への下り道に入る。すぐに、トイレ、水場のある愛鷹山荘の前を過ぎ、さらに下り続けて、山の神神社に着いた。そこの駐車場のバスに乗り込み学校へ戻った。これで、「富士山周辺の山々周遊」の第一段「愛鷹山系」の部を終えた。

2 三国山周辺

日時   2007年11月4日               (天候:晴れ)

コース  籠坂峠(発9:10)〜大洞山(着10:11)〜楢木山(着10:30)〜三国山(着11:03)     〜鉄砲木ノ頭(着12:20)〜高指山(着13:08)〜山伏峠(着14:06)

コースの概要

 三国山は、駿河、相模、武蔵の国境からの名である。展望は、南側は、駿河湾。北側は、富士山と山中湖、その周辺の山々が展望できる。比較的アップダウンが少なく、歩き易い。

しかし、縦走すると意外と距離が長かった。落葉樹の雑木林のため、秋、紅葉と明るい日 ざしのハイキングを楽しむことができた。歩き出しは、籠坂峠である。お墓からの歩き出しには、びっくりした。でも、平地が続く道を歩いて行く。右手に小高い丘の側面にある道を歩き進むと、コル状地形の平坦地に出た。樹木の少ない、見渡せる場所だ。さらに、平坦な道を歩き、大洞山、楢木山のピークらしくない山を越えて行く。

 紅葉が残る木々の下、平坦な地形を進んで行くと、坂らしい坂となり三国山に着いた。やはり、平坦な山頂で、広いが大木もある樹林も中の山頂で、見晴らすことはできない。ここで昼食とし、三国峠への下り、車道を横断して、低い草木に中の登山道を登り出す。見渡せそうな低いカヤト原を抜けて、足元の山中湖と富士山を一望できる鉄砲木ノ頭に着く。残念ながら、富士山には雲がかかっている。ここには、信仰を匂わす石造の建築物がある。正式には、明神山という文が書かれていた。

 山中湖を見下ろした記念写真を撮った。撮った先生は満足げな顔をしている。少し踏み跡を確認しながら、高指山への縦走路を行く。時々、中年ハイカーと交差しながら下り道を行く。ほどなくして、切通峠まで下ってから登り返して高指山に着いた。ここも富士山 の見張らせる場所。でも、相変わらず富士山は雲の覆われている。その先は、尾根が細くなり送電線の鉄塔が見えてくると山伏峠に向かい、カーブをきって、細々とした尾根のコルから北側を下って車道に出、トンネルをくぐり空き地で迎えのバスに乗った。



3  道志山塊

日時   2007年11月23日            (天候:晴れ時々曇り)

コース  山伏峠(発9:10)〜奥ノ岳(着10:10)〜中ノ岳(着11:58)〜御正体山(着12:18)〜池の平(着13:52)〜鹿留(着15:10)

コース概要 秋の紅葉山行や日だまり山行には、うってつけのコースである。秋に行ったためか、意外と、行き交う登山者は多かった。縦走路の主尾根にある各ピークには、その名の道標があり、「奥」「中」「前」などの名称があり、それを一つ一つ越えて行く、ミニ縦走感のある山並みを実感できる。

 前回の山伏峠下の空き地でバスを降りる。トンネルを通って東側からコルにでる。しこから縦走路へ登り出す。サブザック行動のため、軽快に縦走路との分岐点に出た。明快な尾根上の登山道を進むと、最初の奥ノ岳に着いた。途中、中高年のハイカーとすれ違いながら、順調に次の中ノ岳を経て、気づかずに前ノ岳を通過。すぐに、広場になっている御正体山の山頂に着いた。小さい祠もある。休憩後、北に進んで行くと、岩場があり、気をつけて乗り越し、尾根上が広い場所で、ハイカーが昼食していた。

  そこの先の分岐が、「峰宮跡」で、この分岐は、左の道に進んだ。道が下り坂になると、ブナの大木が目立つ樹林帯となった。広めの尾根が区切れるところまで来ると、ベンチがあり、正面が切り開かれている場所に出る。ここからは富士山も見えたので、記念写真を撮る。左な急坂となった登山道をぐいぐいと下り、平坦地に出て、ほっとする。ここには、石造や立て札もある「御堂跡」であった。信仰登山が盛んな時代の遺跡地で、皇太子様も登った記した看板もある。

さらに、急坂を下っていくと、信仰盛んなころの石仏もちらほら出てくる。やっと平坦になったところが、水場となっている「龍之口」だ。少し沢の間を行き、林道に出た。落石が転がる林道を下って行くと、りっぱな。木で造られたアーチ型の木橋のあるところに降り立った。池の平に着いたのだ。ここで休憩後、新しい石仏が所々あるりっぱな林道をのんびり歩いて行くと、キャンプ場や釣堀の施設の先で、我らのマイクロバスと出会い、この周遊の登山を終えた。

4  御坂山塊

その1 日時   2007年12月23日〜24日          (天候:晴れ)

コース  23日:三つ峠駅口いこいの森手前(発10:05)〜三つ峠山(着14:55)     〜清八峠手前コル(着16:40)       24日:清八峠手前(発5:45)〜清八山〜御坂山(着10:15)〜黒岳(着11:50)    〜新道峠(着13:12)〜河口湖(着14:50)

コース概要

   今回は、冬休みに入って実施する「雪見山行」で、三つ峠からの縦走で、御坂山塊の周遊が、始まった。入山前日、大雪が降り、車が予定地のいこいの森まで行けず、車道途中で下車し、ラッセルしながらいこいの森まで進み、最初の休憩をとった。休憩中には、この山に詳しい地元の方がいて、三つ峠の言われや信仰登山の話を聞かせていただいた。さらに雪道を歩いて行き、達磨石、八十八大師の地蔵群、峠の岩場下を経て、ようやく山頂へ着いた。記念写真を撮り、先へと急ぐ。立派な登山道を北に進み、植林の下に暗い道を行き、平坦な鞍部で幕営地とした。

 翌日、植林地を抜け、朝の光の中、清八峠まで進む。そこから、薄雪の残る尾根を西に向かった。ここの部分には、踏み跡は少なく、地図と展望で御坂山に向かう尾根に入っていった。この尾根上に入ると、踏み跡ははっきりして来た。天下茶屋からの道と合流し、 御坂山を越えて御坂峠で休む。

   御坂峠は、旧鎌倉往還路で、山城があったことを記した看板があり、堀や土壁が今も残っている。歴史の勉強?ができる地。また、この周辺の稜線からは、河口湖、富士山のすばらしい展望を楽しむことができる。さすが、「富士見三景」の一つだと、先生だけは、ご満悦。

   次のひと登りで、御坂山系の最高峰である黒岳に到着した。展望台まで行き、真下の河口湖、見上げる富士山の眺めを楽しむ。休んでいると、都立高校の登山部が、登って来た。他高の登山部と出会うのは珍しいこと。

 ここからは、雪ですべりやすい坂道を下って。新道峠から河口湖へと下山した。



その2 日時   2008年4月29日            (天候:曇り時々晴れ)

コース 河口湖(発9:25)〜新道峠(着10:38)〜中藤山(着11:50)〜金山(着12:38)      〜鬼ヶ岳(着13:46)〜鍵掛峠(着14:30)〜根場(着15:53)

コース概要

    河口湖からの登り返し道の車道は意外と長く感じた。しかし、林道に入った登山道からは、歩き易い傾斜で問題なく新道峠に着くことができた。新道峠で、休み、稜線歩きを始めた。稜線の南側に展開する、河口湖・富士山の展望はすばらしい。よく風景が見渡せる大石峠で休憩となった。この間、春早々の時期に縦走をしているのに、意外と中高年のハイカーと行き交う。鬼ヶ岳へ向かって、歩くに従い、十二ヶ岳の稜線の凹凸が、だんだんと正面から見ることができるようになる。この変化もおもしろい。稜線の登山道は比較的アップダウンがあり、意外と疲れてきた。その内、ほとんどが、樹林の中の道を歩いて行くと、金山と節刀ヶ岳との分岐に、ひょこっと出た。

    全体として、疲労感が出てきたので、節刀ヶ岳へは行かず、金山へ向かった。金山では、かなりのハイカーが休んでいる。我々も休息をここでとった。いよいよ、本日のメインピークの鬼ヶ岳へと向かう。ここからは、稜線上に岩場が出て来る。岩場登りもしながら進むと、鬼ヶ岳の山頂部に出た。平坦な山頂部を右から巻いて、鬼ヶ岳を象徴する角形の岩場に立った。もちろん、ここで、記念写真をパチリ。

   ここから、鍵掛峠までの下りは急で、細かく左右に道が振れている。気が抜けない。急な下りで、ひざ、腰を伸ばしたくなったころ、鍵掛峠に着いた。ここからは、稜線の急な側面を下って行く。ひざが笑い出すくらい急だ。途中にブナの原生の大木が林立する場所があった。下り切り、最初に人家のあるところの根場は、麦わら家屋が建ち並ぶ観光地となっていた。

  主な道を進んで行くと、観光用の建物が並ぶ中に紛れ込んでしまった。急に観光客が大勢いる中に入って、登山者姿の私たちは、ちょっと場違いに思えてきた。早々に、駐車場に行き、待っていてくれたバスに乗り込んで帰校した。

その3 日時   2008年9月23日            (天候:曇り)

コース 鍵掛峠(発8:26)〜王岳(着10:26)〜五湖山(着11:43)〜三方分山(12:45)      〜パノラマ台(着13:56)〜烏帽子岳〜本栖湖(着14:50)

コース概要

 根場から鍵掛峠に登って行く。途中、意外と道添えに岩場があるのに気づく。峠は、崩壊地があるため、稜線に出たところより、少し西にいったところで、小広場がある。峠から歩き出すと、登山道に草が覆っている。目だたない小ピークを越えると、南斜面が急で、草が足下を覆っているため、慎重に一歩一歩足運びしないといけところを通過した。平坦な丘になり、王岳に着く。道標がないと山頂が分からないような山頂だ。

峠からの尾根上の登山道は、それまでの、稜線とは異なり、整備が行き届いていない感じだった。この間の展望は、南面に富士山が常に見える。しかし、進むに従って、その富士山は後方へと移動していく。自分が歩いた距離を実感できる。尾根上の登山道は広くなり、山頂らしくないピークを幾つか越えて行く。その一つ、五湖山は、意外と眼下の精進湖が見られない。「西の五湖山」との名はあるが、五湖を見ることは、できなかった。樹林から抜けると、岩のある女坂への下りとなった。下りきると、お地蔵さんが数体ある女坂峠であった。

 女坂から細い坂を登りつめた所が、三方分山。そこから、南に向かい、すぐに精進山を越え、下りになった尾根上を進むと、樹林が切り開かれ、精進湖が見渡せる場所があった。さらに進んで行くと、左から登山道が合流してきている。展望地に出て休息になった。ここが、パノラマ台。展望図盤がある。顧問の先生は、「山中湖が見れるかな?」としきりに気にしていた。なぜか、「五湖山」を意識している。ここから、坂を下り、烏帽子岳を越えて、本栖湖岸の車道バス停に降り立って御坂山塊縦走は終わった。



5  天子山塊

その1 日時   2008年11月3日            (天候:曇りのち雨)

コース  本栖湖(発8:50)〜竜ヶ岳(着10:10)〜雨ヶ岳(着11:47)〜タカデッキ(12:27)     〜毛無山(着13:20)〜地蔵峠(着14:12)〜麓(着15:35)

コース概要

いよいよ、富士山の西面の山塊の縦走に入った。本栖湖沿いの、キャンプ場から歩き出す。整備された道を、南に向かい、傾斜した山道へと入り坂道を登る。稜線に出ると、左手の富士山、右手に湖が木々の間から見ることができる。やがて、東屋と石仏のある地を過ぎ、ジグザグに作られた道を登って行く。道が平坦になると、竜ヶ岳の山頂である。かすんでいるが、富士山と南アルプスを見ることができる。寒いので早々に出発する。

 ササが切り開かれた北に進み、坂道を下り、端足峠に着く。そこから、雨ヶ岳への登りへと向かった。意外と急な坂道を登り切ると、ササの多い雨ヶ岳の山頂に着いた。富士山側は切り開かれていて、展望がきく。記念写真を撮る。山頂からは、ササの中を南に下り、細くなった尾根状を行きコルに至る。そこから登り返し、所々細くなったったり、岩場になったりする尾根を登る。やがて、平坦となり、ササが一面覆うタカデッキに着く。

   どこが、山頂か分からないが。ササ道を下り登り直したところが、1959mのピーク。その少し先が、天子山塊最高峰の大見岳。かつて、我が部活で立てた「天子山塊の最高峰」の道標がまだ残っていた。そこで、記念写真を撮る。ここからは、全く平坦な道で、富士山側の展望がきく稜線歩きとなり、苦もなく毛無山山頂に着く。

 ひと休憩してから、平坦地を20分行き、急になった坂道を下って新地蔵峠に着く。ここには、下部への下り口がある。そのまま、尾根道を歩いて行くと、石の地蔵がある地蔵峠に着く。ここからは、東側の急傾斜面を下る。ロープも垂れている所を下り、沢を一つ横断して、さらに急な登山道を下って、金山沢の平坦部に出た。あとは、沢に沿うようにある登山道を麓部落へと下って行き、麓に着いた。

その2 日時   2008年12月22日〜23日         (天候:曇り)

コース 22日:麓(発13:45)〜地蔵峠(着15:47)    
 23日:地蔵峠(発6:05)〜雪見ヶ岳(着6:55)〜熊森山(着7:58) 〜湧水峠(着8:52)〜送電線下(着9:00)〜長者ヶ岳(着10:21) 〜天子ヶ岳(着11:08)〜稲子峠〜天子ヶ岳登山口(着13:15)

コース概要

富士山周辺の山々の周遊の登山も、最後のコース歩きとなった。麓から地蔵峠への沢沿いの道を登って稜線に出る。今日、冬休みの、雪山合宿としての山行。稜線の幕営地として新地蔵峠下の平坦な場所でテントを張り、明日に備えた。この夜は、クリスマス前であることつけて、ケーキを作りデザートにした。

 夜、粉雪が降り、地面は薄っすら雪化粧していた。地蔵峠前後の稜線の木々は、霧氷になっていた。美しい自然の姿に一同感嘆。歩き出すと朝もやも晴れ出す。その内、木々の間から遠方の山々が望め出す。樹林の深い斜面を登り切ると、「雪見ヶ岳」の名を記したピークだった。そこからは、ササの中の道を下り、猪之頭峠に着く。細い尾根を登り返し、熊森山山頂に着く。平坦な山頂だ。ここからは、平坦な稜線が続く。

   下り切った所が、湧水峠。その先、細い尾根を経て歩いて行くと、切り開かれ展望がきく場所に出た。ここには、送電線が横断し、その下には小屋が建っていた。休憩後、広い尾根を少し登ると、道は狭くなり、そのところに、「天狗岳」と書かれた金属杭のある岩の上を通過する。

 稜線をそのまま南下して行くと、長い平坦な尾根歩きとなる。左手に、顕著な尾根が稜線に伸びてきているのが、見られるようになると長者ヶ岳は近い。間もなく、ベンチのある長者ヶ岳山頂に着く。この山頂には、二組のハイカーが休んでいた。さすが、これまでの誰とも行き交うことのなかったコースとは、異なる。東海自然歩道だけはある、登山道である。次の天子ヶ岳とのコルへの下りを経て、天子ヶ岳山頂広場に至る。

ここから立石への一般道を10分ぐらい下ってから、分岐を天子南道の道に進む。急な下りの後、左側の切れ落ちたのこぎり山(かつては獅子岩と案内板には書いてあったとか)を経て凹凸の稜線を下って行く。平坦になったところに稲子への道標が立つ分岐に着く。ここは尾根を直進して、右手にある林道と合った地点から左への踏み跡に進み、最後崩壊したガレ場状態を下って林道に出た。あとは、林道を道標に従って立石に向かい、案内板の立つ天子登山口に着いた。「富士山周辺の山々周遊」の企画はここに無事終了した。万歳〜〜

感想

   高校登山部を指導する者として、いかに高校生に、自然や登山に興味を持ってもらい、登山活動に意欲的になってもらえるかが、腐心するところである。(かつては、登山部へもそこそこ入部してくれる高校生はいた。しかし、この高校登山部を指導してきた25年で、静岡県では、高校生登山部の部員数は、半減してしまった。

   そして、団塊の世代の指導者が、退職すると、高校登山部の行く末は、風前の灯火となる。東海地区では、岐阜県が、登山の高校総合体育大会を開催することが出来ない、高校登山部が1校になってしまっている)そこで、登山活動に意欲を持たそうとして、年度ごとのテーマを決めて活動するようにしている。

   東高校登山部の顧問となって、前向きに部活に取り組む生徒に出合い、「愛鷹山系の全登山道を歩こう」(実施して、冊子「愛鷹山系に来ませんか」を出版)・「日本五高峰に登る」・「富士山周辺の山々周遊」を実施してきた。この計画を完走した、2年生の男子の一人が、「高校時代に、日本五高峰に登り富士山周辺の山々周遊をすることが出来、本当に嬉しい」と感想を述べてくれたことに、感動した。

   コンパクトで、地元の山々で関連した登山活動。大人の社会人山岳会とは、異なる視点で充実した活動が出来た。しかも参加した若い岳人に満足してもらえた。本当に楽しい登山をしたと思っている。

概念図