谷川岳一の倉沢一の沢左ルンゼ 氷壁登攀    

1 日時   :平成21年3月20日〜21日     

2 場所   :谷川岳、一の倉沢一ノ沢右壁左方ルンゼ    

3 メンバー :須釜、薮崎    

4.天候   :20日雨のち晴れ21日晴れ    

5.ルート・時間:20日1900 御殿場発→ 2330ロープーウエイ着 21日0430 ロープーウエイ発→0530 一ノ倉沢出合→0700 左方ルンゼ出合→1200 中間稜→1500 東尾根→1530 オキノ耳(谷川岳)→1730 ロープーウエイ    

6.ルート概況    

21日 ロープウエイ〜一ノ倉沢出合    

  一ノ倉沢までの道のりはほぼ平地の雪道が続く、高低もほとんどない。途中斜面から雪崩れたデブリに出くわし、雪崩れの凄さを実感した。    

出合〜一ノ沢左方ルンゼ出合    

  一ノ倉沢出合から滝沢第三スラブが見え、チリ雪崩れが発生している様子が見えた。一ノ沢は地図では分かり難かった傾斜が予想以上にきつかった。    

左方ルンゼF1〜F4    

  取り付きから4ピッチほど氷暴が続く、アックスとバイルが氷面にしっかり効くため、かなり手元が安定した。よっていつものバリエーションでのクライミングより易しく感じた。全工程を通して氷面の左側にルートを取って行った。ルートガイドにはこの後迎えるF5が核心としてあるが、実際はF4がこのルートの核心と思えた。    

F4〜中間稜    

  F4を抜けると約200m程雪面を登る、登り詰めた所にF5のチムニーに出くわす。手前の壁面の岩に取り付きを確保したが、岩が悪く浮き岩が結構目立った。チムニーは左の壁面をうまく使えばなんなく登ることができる。通過後は中間稜まで傾斜角のきつい雪面を登る。雪崩れの危険があるポイントということであったが、この日は安定した雪質であった。(この日、前方のパーティーは中間稜の状態が良くないということでここから懸垂で引き返して行った。結果問題なかった。)    

中間稜〜東尾根出合    

中間稜から2ピッチ程細いリッジを慎重に行くルートと成る。クライムダウンから始まり足場、手場の悪いリッジを慎重に行った。ここを抜けると東尾根までひたすら長い雪面を黙々と登る事と成る。足場は非常に安定していたので難なく登れたが、途中足の脛がぴくぴくするほど応えた。我々は若干左から尾根を巻いて行ったが、尾根に出た後のルートを考えると右へ向ったほうがその後の距離を稼げる。  

東尾根〜谷川岳山頂    

   東尾根に辿り着いてつかの間、山頂を見上げると前のパーティーが見え、まだしばらくかかりそうな気配を感じた。何も考えず、そして先をあまり見ずに黙々と登った。すると予想していたよりスムーズに行き、特に疲れることも無く約30分で山頂に立った。  

山頂から西黒尾根    

  日が沈む前に下山できたので特別迷うことは無かった。しかし、ひたすら長い尾根であった。終わりそうで終わらない尾根が永遠と続いた。最後の方は転げ落ちるように斜面を下ってきた。    

7 感想    

  初めてのアイスクライミングという事で少し緊張していたが、両手・両足がしっかりと効いたため予想以上に楽しめた。しかし、ロープワークにはまだまだ課題が多く残り、今後工藤会長に十分指導していただきたいと思った。自分にとっては須釜さんとしばらく山行ができなくなるため実質最後の山行であったが、天候もよくとても登り甲斐のある思い出に残るものとなった。 最後にここまでたくさんの山を経験させていただいた須釜さんに感謝の念をこめて報告を終わります。須釜さん有難うございました。