北穂高 東稜     

平成23年5月4・5日       

   工藤、半田、薮崎(晴れ)    

コースタイム:    

4日 14:00上高地 →16:30横尾 →19:10涸沢ヒュッテ 
5日 5:00涸沢ヒュッテ →7:00東稜 →8:00北穂高山頂 8:30  →涸沢ヒュッテ9:15 10:00 →
11:10横尾 →13:15上高地     

概況:4日
 沢渡に昼過ぎに着き、急ぎ足でバスに乗り込んだ。バスの運賃が片道1200円(往復券1000円)だったが、乗り合いタクシーが5人で4000円(800円/一人)。バスは大型な為、途中よく停止する事を考えると、小型タクシーの運賃比が異様に安く感じる。    

 上高地から横尾経由で涸沢へ急いだ。16:30に横尾を出発したので、暗くなる前に涸沢に付けるかが心配であった。19:00頃辺りが薄暗くなったが、何とかヘッドランプを使わずに済んだ。    

 涸沢のテント場は、昨年と比べると比べものにならないほどの少なさだった。これも東北大震災の影響かな?と思った。また、今年は積雪量が多い為、雪崩の危険性があり、涸沢ヒュッテ小屋もテント料をとらずに「自己責任でテントを張ってくれ!」と言ってきた程であった。    

     5日
 5:00晴天の中、北穂高山頂を目指した。東稜のリッジが迫ってくる地点まで約1時間登り、そこから雪面を横にトラバースしながら稜線に出るのがルートだが、そこから見える雪面上部に亀裂が走っており、雪崩の危険性が若干あった。早朝の気温等から、多分大丈夫だろう!と思われたが、その上の稜線が特別難易度がある岩稜でもないので「その若干のリスクを犯してまでトラバースする事もないだろう!」という判断から、雪面をトラバースせずにそのまま直登して、正面に見える岩稜手前から取り付いた。    

  ルートガイドから見ると「ゴジラ岩」手前から取り付いたようだ。スノーリッジを一山超えると核心部の「ゴジラ岩」に辿り着いた。50mロープを出して会長がトップで先行した。ゴジラの背は右側から登るが、そこに上下2箇所の支点を確保した。ゴジラの背にはキノコ雪がしっかり付いており、岩の上に載る時足場の雪がすっぽりと抜け落ちそうで心配であった。そのままリッジ上の背を進み、一旦下がった所でもう一つ支点を確保した。約50mの一ピッチで終了できる。前後2人が身体確保してその間を一人がロープに自己確保を付けて渡った。前後二人の自己確保にはスノーバーを使用した。(特別支点を取れるような岩、枯れ木等も無い!)ちなみにルートガイドでは、その先のリッジ上部から残置支点を使って、東稜のコルに10mの懸垂下降とあったが、今年は積雪量の多さからか、そのような箇所は全く見あたら無かった。(全部雪で覆われてしまったのだろう!)    

  そこから北穂高山頂まではスノーリッジ、雪壁と続くが、約30分程で到着した。風も無く、天気も最高で満点登山となった。改めて3人の晴れ男パワーを実感した。  下降は尻制動を交えて約45分程でテント場に戻ってきた。そのままテントをたたんで上高地まで一気に帰ってきた。    

 今回の登山で一番難しかったのは、服装の選択であった。下は初夏、上は真冬といった気候であった為、何を準備すべきか悩んだ。結局真冬の服装を選択したが、涸沢までは上下のヤッケと内部のフリースまで脱いで行った。行動間は灼熱地獄であったが、夜間や早朝の気温を考えるとこの選択は正しかったと思った。(内部のフリースを薄手にして、テント内では軽ダウンで凌ぐ!のがベストであったと思う。)  記 薮崎