北穂東稜     

1 日時:平成23年5月4・5日            工藤(晴れ)   

2.コースタイム:   

4日 14:00上高地 →16:30横尾 →19:10涸沢ヒュッテ   
5日 5:00涸沢ヒュッテ →6:14東稜上 →8:10北穂高小屋   
→涸沢ヒュッテ9:08―9:55 →横尾11:10 →上高地13:15    

3.概況: 

 4日   
 白馬主稜の予定を、下山路での雪崩事故の発生を受け、このコースから、雪稜コースとしての入門として北穂東稜を三名で行くことにした。ゆっくりと富士宮を発して、上高地に入る。好天の観光地。大勢の人で賑わっている。順調に横尾へと進み、涸沢へと向かう。 
 ここから、徐々に雪面の歩行となる。所によりスノーブリッジが壊れ、歩くコースが変更されたばかりの場所もある。涸沢への急な登りの場所の残雪に雪崩が削った雪壁の所もある。ここにも、近年の山に降る雪の量の多さを感じる。  
  
 日没の頃、涸沢のキャンプ場に着いた。驚くことに「雪崩の危険もあるので、自己責任でキャンプしてください。幕営料は無料です」といわれてテントを張った。   

   5日   
 夜明け前に、涸沢を出発。北穂の南稜のトレースを進む。稜上に右に曲がるところからは、雪面のカール状をそのまま登っていく。一段上の台地状から右の東稜に出るコースを探す。雪が多く、カール状は避け、かすかな尾根状を選び、稜線に出る。とたんに、前穂北尾根の稜線、遠くに富士山の遠望が目に飛び込んできた。やせている雪の稜線を登っていくと、岩場が出てきた。 
 ここがゴリラの背のようだ。ロープを出し、スノーバーで確保ポイントをつくり、工藤トップで岩と雪の稜線を進む。岩には3本ハーケンがあり左右が切れ落ちているが、安心して、この場は越す。振り返ってみたゴリラの背にある、雪は岩の傾斜面に付いた雪の塊であった。いつかは落ちる雪。ヒヤッとした。この先は、傾斜を増した雪の稜線を各自のペースで登って北穂小屋前に出た。   

 北穂山頂で記念写真を一杯撮って、尻セイドウを楽しんで涸沢に戻った。