月例山行             屋久島 宮之浦岳から開聞岳へ    

期日     平成20年10月22日(水)〜26日(日)    

メンバー   CL 田中  工藤 西方 永田 大屋 藤ヶ森 他1名    

日程 

22日(水) 富士宮から屋久島    
  富士宮発4:30〜足柄SA5:30集合〜駐車場〜送迎車にて羽田へ〜羽田発9:40〜鹿児島空港(11:25〜15:00)〜屋久島空港15:50〜宿の車にて尾の間四季の宿(泊)    

23日(木) 白谷雲水峡・島一周    
   民宿〜レンタカー〜白谷雲水峡〜屋久島一周〜民宿    

24日(金) 淀川登山口から宮之浦岳    
  民宿5:30〜お弁当〜淀川登山口7:25〜淀川小屋8:05〜花之江河9:40〜            黒味岳ピストン(→0:20 ←0:10)〜投石岩屋(11:25〜11:40)〜栗生岳12: 40〜宮之浦岳13:05〜永田岳分岐13:30(永田・大屋‥永田岳へ、藤ヶ森・田中み・工藤紀‥小屋へ)〜新高塚小屋着15:00・・永田・大屋着16:30(泊)      

25日(土) 荒川口へ下山・鹿児島へ    
  新高塚小屋発5:30〜縄文杉〜ウィルソン株8:15〜大株歩道入り口8:47〜            白谷雲水峡入り口10:05〜荒川口11:13〜レンタカー返却〜高速船トッピー            15:45〜指宿港17:45〜レンタカーで民宿へ    

26日(日) 開聞岳・羽田へ    
  民宿発7:00〜開聞岳登山口二合目駐車場7:40〜開聞岳山頂(9:40〜10:00)〜下山・駐車場11:15〜鹿児島空港へ・発16:15〜羽田17:55〜富士宮    

記録・感想    

  22日(水)    
 各地よりメンバーを拾って足柄SAに5:30に集合。東名を走り、横浜・町田インターから岸 海線を通って羽田に向かう。大都会に近づくので心配したが、とにかく羽田へ成田へと思って 運転していたら、思ったより分かりやすかった。目的の駐車場は、浮島出口のすぐ左側で滑り込む。まだ、西方車は到着していなかったが、空港で待ってほしいと言うことで、送迎車に送ってもらう。    

   全員そろって鹿児島へ向かう。鹿児島空港では、屋久島の天候は良くないので、飛行機は引き返すかもしれないというアナウンスを聞きながら、小さなプロペラ機に乗り込む。上昇していったと思ったら、着陸のためにもう下降を始めた。深いガスの中に入っていく。鹿児島空港でのアナウンスを思い出す。パイロットさんあんまり無理をしないで、と思うのと同時にキャー!この年になってジェットコースター乗ると思わなかった。窓の外のプロペラは頼りなく回っている。このまま滑走路に激突するのかと思う頃、霧の中から滑走路の白いラインが見えてきた。無事に車輪が接地したときには、つい拍手。    

   空港から民宿の車で尾の間の民宿に向かう。空港から30分くらい、途中でガスのボンベを購入して到着。宿のご主人は、この屋久島の生活・自然・人をこよなく愛しているような人だった。    

   食後、翌日は雨が降るということで計画の変更を考えた。本土の雨と違って、すごい雨量だそうだ。山を降りてから行く予定だった白谷雲水峡に先に行くことにする。    

   23日(木)    
 朝起きると案の定、土砂降り。レンタカーを借り、お酒博士の永田さんがどうしても買っていきたいという“三岳”の買い方を宿のご主人に教えてもらってあったので、まず、焼酎“三岳”の購入。昨日降りた屋久島空港を通り過ぎ、屋久島港近くから白谷林道を白谷雲水峡に向かう。“もののけ姫”のモデルになったという白谷雲水峡は、雨の中だとますます雰囲気が出ている。途中、ヤクサルやヤクシカがいたが、人や車を恐れることなく、のんびりしていた。    

 雲水峡から帰る頃から、雨が上がり日が差してきた。せっかくだからと、島一周することにした。島の北側は道路も広くきれいな砂浜が広がっていた。西側に回ると、屋久島の原生林が海岸まで迫っていて、原生林の中を走っていた。    

  24日(金)    
 天気は、からっとはしていないが、お世話になった民宿を後にして、いよいよ宮之浦岳に向けて出発。途中のお弁当屋さんでお弁当を購入し、淀川登山口に向かう。淀川口の駐車場はあまり広くないが、我々の車は、田中さんと西方さんが下山口の荒川口に回しに行く。女性5人は、どうせ遅いからと、先に出発。水の豊かさで生き生きした木々の中を淀川小屋に向かう。山に登るという意識とはうらはらに、道はどんどん下っていく。大丈夫かなと思う頃、森の中の平坦地に淀川小屋が見えた。雨の多い屋久島らしく葉の先から水が滴り落ちるような中、小休止。ここより、少しづつ登って行く。要所要所には、木道がつけられていて、年間では、大変多くの人たちが訪れているだろうのに、本当に自然の中に溶け込んで歩くことができた。    

   森の中から急に明るくなると、湿地帯の花之江河だ。立ち枯れた木が霧の中に現れ、今にも仙人が出てきそうなところだ。車を回しに行った田中さんと西方さんはどのくらいで追いつくかなと思いながら先を進む。せっかく来たのだからと、途中、霧の中から見えた尖った黒味山に寄り道することにした。縦走路から少し入った所に荷物を置き、黒味山に向かう。木や木の根につかまりながら、急な山道を登る。しばらく登ると森の木々の上に出て、花崗岩の大岩が点在するところに出た。下から見えた尖った山頂の下をぐるりと回るようにして山頂に立った。   

  

   山全体が霧に覆われ、屋久島全体の姿は見えないのは残念だが、天気が良かったらこんな景色が見えるだろうと想像しながら下山する。銃走路に戻ると、後から登ってきた人たちが、大勢歩いていた。投石岩屋の大きな岩の上で大休止をし、昼食をとった。道自身はそんなに急ではないが、登ったり下りたり、宮之浦岳は遠くなかなか着かない。栗生岳の下りで一瞬霧が晴れた時、風で波打っている笹の中に、どっしりと白く大きな岩が点在している宮之浦岳が見えた。やっと来た。強い風の中を身を低くするように山頂に向かう。笹と花崗岩をぬいながら山頂に着いた。風が強いため休むのは下に下りてからにしようと記念写真を撮っただけで下山を開始した。ちょうど下りきった所に永田岳への分岐があった。    

   自分の名前でもあるし、せっかくここまで着たのだから行ってきたいという永田さんと大屋さんは永田岳に向かった。藤ヶ森さんと田中さんの奥さんと工藤は新高塚小屋に向かう。小屋への道は、結構急な下りで木の根などを頼りに下っていく。1時間半程下り、15:00、やっと小屋に着いた。ヤクシカたちが静かに出迎えてくれた。人間をまったく恐れることはなく、すぐそばを通ってもマイペースを崩さずのんびり草を食べていた。    

   新高塚小屋は思ったより小さく、多くの人が訪れるだろうのに大丈夫かなと思う。小屋に入ると、まだ7~8人の人しか着いていず、田中さんと西方さんは、すでに到着していて私たちのグループの場所を確保してくれていた。やっぱり、黒味岳をピストンしている時に追い越されたらしい。小屋の周りは木のデッキで囲まれ、その上にもいくつかのテントが張られていた。大屋さんたちが着く前に、少しでも夕食の準備をしようとしたが、永田岳組が食料の一部を持っていたため、到着を待つことにした。16:30、二人が疲れた様子で到着した。    

   さっそく、夕食の準備にかかる。今回は、初めて山での炊飯に挑戦する。何回も練習したが、大量なのでちょっと心配。メニューは、炊き込みご飯とツナと玉葱の煮物。ほとんどの人がアルファー米とレトルトカレーのなか、いい匂いを回りに漂わせながら準備していると、「おいしそう。」と覗き込んでいく。ちょっと自慢げに夕食終了。久しぶりの食当だったが大成功(?) お米で持っていっても、そんなに重くないし普段の山行でも使えそう。段々多くの人が到着し、小屋も混んできた。場所を譲り合ってシュラフにもぐる。    

  25日(土)    
  5:30  新高塚小屋を後にする。相変わらずのじめじめした天気だ。ぬかるんだ道をしば  らく行くと高塚小屋に着く。新高塚小屋よりも小さいが何人か泊っていた。小屋を過ぎいよい 下りになる。縄文杉がまだかまだかと、増えてきた巨木にあれかな?これかな?と言いながら下りていく。と、道の向こうに木のデッキが見えてきた。あそこだ。根が傷むのでデッキから近づくことはできないが、人生70〜80年人間に比べ、何千年もの間、人間の営みを地球の営みを見続けてきた杉の木に畏敬の念を感じ、人間のちっぽけさを感じる。早く小屋を出てきたので、まだ人は少なくゆっくり堪能する。急な下りには、ずっと木の階段がついていた。こんなにたくさんの木を運んで作っていくのは、さぞ大変だっただろう。    

   だんだん、人が多くなり、下りの私達は、登ってくる人のために、道をあけて立ち止まることが多くなった。それでも、8:47 トロッコ道の終点、大株歩道入口に着いた。ここからは、平坦なトロッコ道を荒川口まで歩くだけだ。これから縄文杉を見に行こうとする人たちが、ガイドに連れられて、ひっきりなしにやってくる。そのたびごとに避けていると、なかなか、枕木の巾が気になってくる。    

   途中、白谷雲水峡入口を過ぎ、大株歩道入口からおよそ二時間半、やっと、レンタカーのある荒川口に到着した。この頃には、天気も良くなり日も差してきた。荒川口は淀川口に比べると駐車場も広く開けている。一台の車にギュウギュウ詰めに乗って淀川口のもう一台の車をとりに行く。いろいろあったが、レンタカーを返し、15:45 高速船トッピーで屋久島を後にする。    

  26日(日)    
  民宿を7:00に出発し、今回の2つ目の山、開聞岳に向かう。開聞岳登山口二合目の駐車場に車を置く。登山道は、渦巻きのようにぐるぐる同じ方向に巻きながら登っていくそうだ。南国の山らしく、常緑広葉樹の森だ。途中、シイの実がたくさん落ちていたので拾いながら登る。ところどころ周りの景色が見えるところで、今、どのくらい回ったか確かめながら登る。上のほうに行くと段々木も小さくなり、岩が出てくる。

   元の景色が見えた頃、ちょうど二時間歩いて、山頂に着いた。山頂は、そんなに広くなく、360度の展望だ。20分位堪能した後、下山を開始した。下山後、高速道路で鹿児島空港に移動した。    

 なかなか行けない日本百名山の2座を今回登頂できた。これもひとえに田中さんご夫妻のおかげだと思う。飛行機の手配から宿の手配。コースの検討など、たった一日の山行を計画するのにも大変なのに、本当にありがとうございました。ご苦労様でした。